委 員 村 上 ひとし 委 員 池 田 由 美
委 員 長 屋 いずみ 委 員 吉 岡 弘 子
委 員 佐々木 明 美 委 員 石 川 さわ子
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開 議 午後1時
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○林清治 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、前川委員からは好井委員と、田中委員からは長屋委員と交代する旨、それぞれ届出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第3項 河川費及び議案第7号 令和元年度札幌市
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件について、一括して質疑を行います。
◆小口智久 委員 私からは、全国各地で多発する大雨を踏まえ、下水道の
雨水対策について質問をいたします。
近年、気候変動の影響により、降雨量の増加や短時間豪雨による
浸水被害が頻発しており、今後起こり得る大規模水害が懸念されております。今年7月に熊本県を中心に西日本から東日本、東北地方にかけて非常に広い範囲にわたり甚大な
浸水被害をもたらした令和2年7月豪雨は、記憶に新しいところでございます。
国においても、平成27年にハードとソフトの両面から
雨水対策を強化するために水防法等の一部を改正する法律を公布し、29年には
国土交通省から
雨水対策を効果的に進めるための
雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)を示す等、今後の
雨水対策の推進に向け、様々な提言や施策が展開されております。
過去10年の水害統計によりますと、浸水した家屋等は
内水氾濫が68%に上り、河川による氾濫、外水氾濫よりも格段に多く、市民の命や財産を守るためには
内水氾濫対策は重要な取組と考えます。
内水氾濫の発生は河川の水位にも関係しますが、都市部に降った雨を円滑に河川へ放流する張り巡らされた下水道の能力に依存し、頻発する大規模水害を防ぐためには、より一層、地域の実情に合わせた細やかな
下水道管理を推し進める必要があると感じております。
一方、本市の最近の降雨状況を顧みますと、今年8月、東区で1時間37.5ミリの大雨が観測されており、さらに近郊の岩見沢市付近では、昨年8月と今年7月の2回にわたり1時間100ミリを超えるような雨が観測され、記録的短時間大雨情報が発表されております。これまで経験したことのない大雨により本市が災害に見舞われた場合、市民の生命、財産を守り抜くには、ハードとソフトを組み合わせて、より一層、総合的に
雨水対策を進める必要があると考えます。
そこでまず、これまでの下水道による
雨水対策の取組についてお伺いいたします。
◎善徳
事業推進部長 下水道による
雨水対策の取組状況についてお答えいたします。
本市では、昭和53年に雨に強い
まちづくりを目指した
アクアレインボー計画を策定いたしまして、10年確率降雨でございます1時間当たり35ミリの大雨への対応を目標として、
雨水拡充管や
雨水ポンプ場の整備を進めてきております。
雨水拡充管につきましては、計画延長305キロメートルに対しまして、令和元年度までに203キロメートル整備済みであります。また、
雨水ポンプ場につきましては、平成30年5月に供用開始いたしました
東雁来雨水ポンプ場の完成によりまして、計画していた7か所全ての整備が完了し、これらによる整備効果は市街化区域の約9割に達している状況でございます。
また、近年の下水道の整備水準を上回る局地的な大雨への対応といたしまして、周辺に比べて土地が低い、いわゆるくぼ地などにおきまして、能力に余裕のある管路や河川へ雨水を流す
バイパス管を整備するなど、地域の実情に応じた個別の対策も進めてきてございます。具体的には、現在、把握しております53か所につきまして、令和元年度までに33か所で対策済みでございまして、本年度は白石区、厚別区、豊平区、手稲区の4区8か所で対策を実施する予定でございます。
さらに、
民間事業者などのご協力を得まして、下水道への
雨水流入量を抑制するため、大規模施設の設置時などに敷地内に
雨水浸透施設、あるいは貯留施設を設置していただく取組も行っておりまして、令和元年度までに340施設で実施していただいているところでございます。
◆小口智久 委員 今、答弁いただきました
雨水対策として
雨水拡充管の整備、また、くぼ地等における地域の実情を踏まえた個別の対応、さらに
民間事業者などの協力による
雨水流入抑制の取組を行っているということでございました。これらの取組については、引き続き着実に進めていただきたいと思います。
しかしながら、近年、多発する記録的な大雨の状況を踏まえますと、これまでに進めてきた
ハード対策だけでは十分に対応できない状況が想定されておりますので、それを補完するために
ソフト対策の充実を図ることが重要と考えます。
ソフト対策の有効な手段の一つとしては、市民が日頃から浸水に備えていただくための
内水ハザードマップの公表がありますが、今年の
予算特別委員会での我が会派の前川委員の質疑に対して、市全体の
内水ハザードマップを令和3年度に公表するとの答弁をいただいたところでございます。
先ほど申し上げたとおり、河川氾濫に比べ
内水氾濫は発生頻度が高いため、このマップが作成、公表されれば、市民にとって身近に起こり得る災害の備えとして非常に有効なツールとなるものと考えます。
近年、
内水ハザードマップを公表する自治体が増えているようですが、それらの多くは過去最大の降雨による被害を想定したものと認識しております。本市の場合、
札幌管区気象台が観測した過去最大の降雨は1時間50ミリでありますが、昨今の気候状況を見ますと、これを超えるような大雨も想定されます。さきの
予算特別委員会では1,000年に一度の大雨を想定し、地下街を含む都心部において
浸水シミュレーションを行い、浸水区域、浸水規模を精査しているとの答弁がございました。来年度、作成される市内全域の
内水ハザードマップについても、観測した過去最大の降雨量50ミリにとらわれず、検討を行うべきであると考えます。
そこで、質問ですが、
内水ハザードマップの作成、公表に向けた現在の取組状況についてお伺いいたします。
◎善徳
事業推進部長 内水ハザードマップの作成、公表に向けました現在の取組状況についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、
内水ハザードマップの作成に当たりましては、過去の大雨の実績にとらわれず、これまでに経験のない大雨も想定に加えるべきと考えておりまして、今年度、本市の過去最大降雨であります1時間当たり50ミリのほか、地下街を含む都心部で行った
浸水シミュレーションと同様の1,000年に一度の大雨であります1時間当たり125ミリなど、複数の降雨を対象として
浸水シミュレーションを進めているところでございます。
今後、この
浸水シミュレーションの結果に基づき、想定される浸水規模を整理いたしまして、日頃からの備えや大雨時に取るべき行動といった安全確保に関する情報なども盛り込んだ
内水ハザードマップを令和3年度、来年度に作成、公表する予定でございます。
◆小口智久 委員 現在、
札幌管区気象台が観測した過去最大降雨である1時間50ミリのほか、1,000年に一度の大雨とされる1時間当たり125ミリなど、複数の降雨を対象として
浸水シミュレーションを進めているとのことでございました。
私も、本業務ではございませんが、この
シミュレーションで使用する生データの収集をした経験がございます。大雨時の
現場データは大変貴重で、機械でモニターできないときは、危険と隣り合わせの中、現場に向かうことも度々ございました。
基礎データが様々な形で市民の安全のために使われていると思うと、感慨深いものがあります。大雨の備えとして、市民にとって活用しやすく、そして、有益となる
内水ハザードマップを作成していただきたいと思います。
さて、昨年10月に関東地方や東北地方などを襲った
令和元年東日本台風では、
河川氾濫等により40か所を超える処理場やポンプ場が浸水により機能が停止するなどし、トイレやお風呂の利用が制限される地域が出るなど、
市民生活に大きな影響を与える事態が発生しました。
雨水拡充管の整備やくぼ地対策といった
ハード対策や、
内水ハザードマップの作成、公表といった
ソフト対策は非常に重要な取組でありますが、札幌市の
市民生活や都市活動は市内の10か所の
水再生プラザ、18か所のポンプ場など多くの下水施設で支えられており、まさに
水害対策の心臓部と言えるため、浸水から守る取組は最重要課題であると考えます。
そこで、質問ですが、大雨時における施設の機能維持に向けた取組についてお伺いいたします。
◎善徳
事業推進部長 大雨時におきます施設の機能維持に向けた取組についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、大雨により処理場などの
下水道施設が被災し、
市民生活に大きな影響を与える事例が増えている現状を踏まえまして、本市におきましても、大雨時における施設の機能維持は重要な課題というふうに認識しております。
今年5月には、
国土交通省からも30年から80年確率の大雨による河川氾濫や過去最大降雨による
内水氾濫を想定した施設の
耐水化計画の策定に加えまして、被災時の施設運用や復旧方法などを定める
下水道BCPの見直しを行うよう要請があったところでございます。
そのため、本市では、まず、本年度内に施設が被災した場合に速やかに機能を復旧させるための体制の構築など、
浸水被害にも対応できるよう、札幌市
下水道BCPの見直しを行う予定でございます。
また、令和3年度には、
河川管理者が示す
浸水想定区域図や本年度実施しております
浸水シミュレーションを基に、施設の
耐水化計画を策定し、開口部の閉塞や設備の耐水化など、施設ごとに想定されます浸水に応じた対策を計画的に進めていく予定でございます。
◆小口智久 委員 札幌市
下水道BCPの見直し、また、
浸水シミュレーションを基に施設の
耐水化計画を行い、対策していくという答弁でございました。大雨時における施設の機能維持に関しては全国的にまだ対策が進んでおらず、知見が少ない中での検討となりますが、しっかり進めていただきたいと思います。
我が党は、防災・減災・復興対策を政治の主流に位置づけ、
国土強靱化に力を入れてまいりました。昨今、
水害対策において、強くしなやかな
まちづくりの一つとして雨水を吸収しやすいまち、いわゆる
スポンジシティーが提唱されております。
一般的に流域が都市化しますと、降った雨が地中に染み込みにくくなり、そのまま川に流れ出すため、洪水が起きやすくなります。このような被害を防ぐため、河川と流域が一体となって対策をしていくことを
総合治水対策と言い、
河川改修が追いつかない今、ため池や
雨水拡充管、貯留施設、貯留水槽などを数多く造り、市全体で雨水を吸収するという取組が
スポンジシティーでございます。先ほどの答弁でも、
雨水拡充管や
民間事業者などの協力で貯留施設を設置していただくなど、
スポンジシティーへの取組が進んでいると感じました。
国においても、今年7月、国交省が気候変動に伴う水害の頻発化を踏まえ、
都市開発プロジェクトと一体的に
水害対策を講じる場合、再開発ビルの容積率を緩和する方針を固めました。自治体が容積率を割増しすることができ、ビル敷地内に
雨水浸透施設や貯留池などを設置し、
内水氾濫を防ぐなどの
水害対策を実施する誘導策となり、被害防止につなげる考えです。
また、先ほど、くぼ地対策のご答弁がございましたが、一方で、市民に影響を与えない場所を利用し、
自然ため池、天然ダムなど土木で言うところの釜場、水をトラップする場所ですけれども、それを造るという考えがございますので、併せて検討していただきたく思います。
さらに、
内水ハザードマップの作成に関しては、ICT等の技術の活用により、下水管内の水位情報や浸水状況を把握し、関連部局と連携した避難行動や水防活動の促進に生かすことができるため、
下水道施設データの電子化の促進は一層求められております。引き続き、激甚化、頻発化している豪雨災害に対し、
スポンジシティーの推進など、ハードとソフトを組み合わせ、強くしなやかな
都市浸水対策を推進し、札幌市民の安心・安全な生活に尽力していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆
阿部ひであき 委員 私からは、
準用河川北郷川の
改修事業について質問したいというふうに思います。
昨年の
決算特別委員会において、近年の台風や局地的な大雨による
浸水被害が増加していることを踏まえ、本市の
河川改修はどのように進められているのか、質問をしたところであります。
答弁では、1級河川の雁来川などの
河川改修を継続して進めていることに加え、令和元年度から新たに準用河川の北郷川と厚別西川の事業に着手したとのことでありました。
そこで、本委員会では、昨年度に事業に着手した白石区の北郷地区を流れる
準用河川北郷川について伺います。
北郷地区は、1級河川の月寒川と、それから、望月寒川、これらの二つの川の高い堤防に囲まれており、
内水氾濫が発生しやすく、開発局では、排水機場を設置し、望月寒川へ排水する対策を講じております。
しかしながら、排水機場へ導水する河川の流下能力が不足していることなどにより、近年では、平成24年、27年、さらには29年と、二、三年に一度、
浸水被害が発生したところであります。
そこで、導水河川の一つを北郷川として準用河川に昇格し、新たな
改修事業に着手しており、私も、昨年に、ちょうど地元の
住民説明会がありましたので、そちらのほうに顔を出して内容を伺ってまいりました。
この事業は、地域の
浸水被害の軽減を図る上で非常に効果的であり、地元も期待している声も多数あり、早期の完成に向け円滑に事業を進めていく必要があると考えているところであります。
そこで、質問でありますけれども、改めて、北郷川の
改修計画の概要と現在の実施状況について伺いたいと思います。
◎伊藤
河川担当部長 北郷川の
改修計画の概要と現在の事業の実施状況についてお答えいたします。
初めに、
改修計画の概要についてでございますが、北郷川は、
月寒排水機場の直近から上流の市道13号幹道線までの延長にしまして約1.5キロメートルを改修区間といたしまして、おおむね10年に一度降る大雨に対応するため、最大で毎秒7立方メートルの洪水を流すこととしております。
河川の幅につきましては、現状、約2メートルのものが
河川管理用通路なども含めまして約17メートルから25メートルとなり、改修の全区間において
用地買収が必要となっております。
次に、現在の実施状況についてですが、昨年度から
用地確定測量を進めており、今年度内に全区間が完了する予定となっております。また、今年度から
用地買収にも着手しており、現在、最も下流の地権者と交渉を進めているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 ただいまの答弁で、改修延長1.5キロメートル、全区間において
用地買収が必要であるということであります。
10年に一度の毎秒7立方メートルということで、それだけの雨水を排出することができる規模だということでありますけれども、一方で、川幅は、今、現状2メートルぐらいのほとんど排水路みたいな感じでありますけれども、それが最大で25メートル幅ということになりますので、それ相応の土地の買収がこれから必要になってくるかというふうに思います。
今年は
用地確定測量ということで、今年度中に完了ということでありますけれども、来年度以降、
用地買収が本格化していくことだというふうに思います。
北郷川の
用地買収は、非常に多くの地権者が対象となり、買収までにはかなりの時間を要すると思われますので、事業を円滑に進めていくためにも地権者の理解と協力が必要不可欠であるというふうに考えます。
特に、大規模な
用地買収により、
会社や自宅の移転をしなければならない場合が多くある上、対象箇所の大部分が
市街化調整区域ということもあり、建物の移転に絡む道路整備の要望など、様々な声を私自身も既にいただいているところであり、河川部局だけで済むものではないなというふうに考えておるところであります。
また、一部の地権者の方からは、買収の時期、これがいつ頃になるのだろうかとか、あるいは移転が必要な場合に移転先がどこになるのかとか、様々な声を聞いているところであり、まだ多くの方々がこうした不安を抱えているのではないかと推察しております。
用地買収の状況によっては、個々の地権者の生活環境が大きく変わってしまうこともあることから、それぞれの事情を十分に考慮しながら事業協力を得られるよう進めていくことが大切と考えます。
そこで、質問でありますけれども、この延長約1.5キロメートルの
用地買収をどのように進めていくおつもりなのか、伺いたいと思います。
◎伊藤
河川担当部長 用地買収の進め方につきましてお答えいたします。
河川の
改修事業は、その効果を早期に発現させるため、下流から順次進めていくことが基本となっております。北郷川につきましても、基本的に下流から進めていくこととしているところでございます。
しかしながら、
用地買収につきましては、個々の地権者におきまして、それぞれに様々なご事情がございますことから、必ずしも下流から順次進められないこともございます。
これまでの
河川事業においては、できる限り柔軟な対応を行ってまいりました。北郷川の
用地買収につきましても、様々な問合せが寄せられているところでございますし、ただいま委員のご指摘にありましたような地権者の不安の声があるということを踏まえまして、これまでの
河川事業と同様に、個々の地権者の事情などに十分配慮しながら、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。
◆
阿部ひであき 委員
用地買収については、下流から順次進めていくのが基本であるものの、個々の地権者の事情に配慮して丁寧な対応をしていくとの答弁でありました。
先ほども触れましたけれども、北郷地区、この辺りは、特に
浸水被害が本当に二、三年に一度起こっているところであります。こうした被害を軽減するためにも、この北郷川の
河川改修の必要性、私は非常に高いものだというふうに考えております。
北郷川の改修は、河川に必要な幅のほとんどを取得していかなければならず、事業を進めていく上では
用地買収が大きな鍵になっていくものと思われますので、地権者に対して十分に配慮しなければなりません。
先ほども触れましたが、
河川改修が進められる中で、地域からは、土地の利用方法や道路の使い方など様々な声が出てきております。
実際、ちょっと私もこの辺りの道路の関係で、まだ、私道路でありますけれども、ちょうどここにかかるところでありますが、何とか
アスファルトを敷いてほしいという要望をいただきまして、それぞれ、私道路に係る地権者の方々、全部で6人か7人ぐらいいましたか、もっといるかもしれません。亡くなられた方がいるのですね。そうなってくると、
法定相続人という方々に、今度、また当たっていかなければならない。そうなると、もう10人を超えてくるような形で、一人一人当たって今日まで来たところであります。
ようやく全員の地権者の了解を得て、この
アスファルト化ができそうなところまで、今、持ってきましたけれども、ここにまで至る道筋というのは非常に大変でありました。それはどうしてかというと、やはり、なかなか個人情報の絡みで、それらの地権者がどういう状態の人かがよく分からないということがよくあるのですね。そういうことも含めると、その辺の情報をどこからどういうふうに仕入れていくかということも含めて、その土地の在り方、そして、道路をつけてほしいだとか、道路をもう少し拡幅してほしいだとか、そうしたことになると、これはもう完全に
河川事業部局だけの話ではなくなってくるケースというものが非常に多くなってくるのではないかなということを私は考えております。
そこで、やはり、そうした声に対応して、全てがこの
河川事業部局だけで対応できるものとは限りませんので、その場合には、その声を関連する部局にしっかりと横の連携を持ってつないでいくということが重要であります。河川部局には、その中心的な役割を改めてこの事業については担っていただかなければならない、このことを指摘して、私の質問を終わります。
◆かんの太一 委員 私からは、
下水道管路の維持管理について質問をいたします。
下水道は、汚れた水をきれいにするのみではなく、
浸水被害から町を守るなど、都市機能を確保する上で重要な役割を担っており、既に普及率が99.8%に達した本市においては、
市民生活に欠かせない
都市基盤施設となっております。
その中で、
下水道管路は、一たび損傷し、道路陥没の発生や下水を流すことができなくなった場合は、
市民生活や経済活動に大きな影響を及ぼすことになり、さらに
下水道管路は地中に敷設されていることから、地上部からでは簡単に損傷箇所を見つけることが大変困難な施設でもあります。したがって、
下水道管路の維持管理は大変重要であり、今年の8月に策定されました札幌市
下水道ビジョン2030の中で、計画的な点検や調査などにより適切に実施することとしております。
そこで、質問ですが、現在、約8,300キロメートルにも及ぶ
下水道管路の計画的な点検調査はどのように行っているのか、まずお伺いいたします。
◎小野
管路担当部長 下水道管路の点検調査の方法についてお答えいたします。
点検調査の方法としては、簡易調査と詳細調査がございます。
まず、簡易調査につきましては、日常的な点検でございまして、人の目でマンホール内及び
下水道管路内を確認するもので、全ての
下水道管路を対象に6年で一巡するという頻度で実施しておりまして、破損等が発見されましたら、適宜に補修等を行ってございます。
次に、詳細調査につきましては、修繕が必要か、または敷設替えが必要かを判定するために、テレビカメラなどにより内面を詳細に調査するものでございまして、敷設からの経過年数などを基に優先順位を定め、年間約210キロを目標に実施してございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁で、日常的に行う、そして、人の目で行う簡易調査ということで、これが6年で一巡するように、また、詳細調査はテレビカメラなどを使用する調査であるということでございました。
この簡易調査と詳細調査により
下水道管路の点検調査を実施するとともに、必要に応じて適時に修繕等を行い、場合によっては敷設替え等を実施しているということであります。
しかしながら、
下水道管路は約8,300キロメートルもあることから、老朽化した管路も増加しているので、その状況を確実に把握するためにも、維持管理は計画的に実施していくことが重要と考えております。
そこで、質問でありますが、令和元年度の点検調査の実施状況についてお伺いいたします。
◎小野
管路担当部長 令和元年度に行った点検調査の実施状況についてお答えいたします。
簡易調査については、中期経営プラン2020における令和元年度の目標値1,420キロメートルに対して、実績値は1,413キロメートルであり、同様に、詳細調査については、目標値212キロメートルに対して実績値は239キロメートルでございます。簡易調査につきましては、令和元年度は目標値を下回っておりますが、計画期間のうち、平成28年から令和元年度までの累計では48キロメートル上回ってございます。
また、詳細調査の具体的な実施結果でございますが、管路自体に鉄筋や骨材が露出していたり、幅の広いひび割れが生じるなどの劣化状況や、マンホール間で管路に大きなたわみが生じ、流れが悪くなっている状況などを確認いたしました。
このような劣化状況を評価し、修繕が必要と判定した管路延長は136キロメートルで、この区間においては約2,100か所の修繕を実施し、延命化を図ったところでございます。
また、敷設替え等が必要と判定した管路延長は26キロメートルで、これにつきましては、状況に応じて、少なくとも3年以内には実施する予定でございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁ですと、簡易調査がプラン2020であれば目標値が1,420キロメートルのところを1,413キロメートル、詳細調査のほうは目標値が212キロメートルで実績が239キロメートルということで、合計で1,652キロメートル行っているということでありました。また、修繕箇所も2,100か所の修繕を合わせて行っているということでありまして、現状でもかなりの延長を実施していることが確認できました。
しかしながら、本市の
下水道管路は、人口の増加や都市の発展に伴い1970年代から1980年代にかけて集中的に整備が進められてきました。その結果、敷設後、標準耐用年数50年を超えるものは、今年度は910キロメートル、約10%でございますけれども、10年後の2030年度には、この4.6倍の4,170キロメートル、約50%になるということでありますので、修繕が必要な箇所が増加することが懸念されるところであります。
下水道法改正では、
下水道管路のうち不足するおそれが大きい箇所については、点検頻度を5年に1回以上と定めており、今後、老朽化する
下水道管路が増加していく上で管路の損傷による事故防止を図るためには、全ての管路を対象とした点検調査の頻度を改めて検討すべきではないかと考えております。
また、毎年210キロメートルにも及ぶテレビカメラによる詳細調査を行っている中で、その調査結果の判定においては多くの労力を費やしているとお聞きしております。効率化に向けた取組が必要であると考えます。
そこで、質問でありますけれども、今後、
下水道管路の点検調査等の頻度や判定の効率化に向け、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎小野
管路担当部長 下水道管路の点検調査の頻度でございますが、簡易調査については、法改正の趣旨に鑑み、令和3年度から全管路を対象に現在の6年に1回の頻度を5年に1回に変更したいと考えております。
次に、詳細調査の効率化についてでございますが、委員がご指摘のとおり、劣化判定の作業には多くの労力を要していることから、現在、公益財団法人日本下水道新技術機構を事務局として進めている高画質展開カメラによる調査及びAIを活用した新しい管内調査システムの研究プロジェクトに本市も令和2年より参加しております。この研究は、AIを使って管路の劣化診断を自動で行うためのものであり、新技術が確立された際には、本市における調査業務に導入することで、判定作業の効率化が図られるものと考えてございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁の中で、
下水道管路の点検調査の頻度を、令和3年度から、6年に1回から5年に1回へということで、今、検討しているということでありました。また、効率化に際しましては、高感度カメラの使用ですとかAIを使った
下水道管路の点検調査、判定の導入ということでありました。日本下水道新技術機構などとの共同研究ということでありましたけれども、より精度が高く効率的な点検調査に取り組んでいただきたいというふうに思います。
要望でありますけれども、今後、急増する敷設後50年を超える
下水道管路はもとより、全ての
下水道管路が機能し続けるためには、的確な点検調査による日常の維持管理、そして、正確な状態把握に基づく適時適切なタイミングでの改築や修繕の実施が必要であります。引き続き、
下水道管路の維持管理をしっかりと進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終了いたします。
◆伴良隆 委員 私は、中期経営プランと、それから河川管理について質問させていただきます。
まず、中期経営プランでございます。
下水道事業中期経営プラン2020の実施状況と次期プランの策定状況について伺ってまいります。
下水道事業では、10年間の下水道事業の方向性を
下水道ビジョンで定め、その方向性に基づく行動計画として5年ごとの中期経営プランを策定しています。現在のビジョン2020とプラン2020は今年度が最終年度でありますため、今年8月にはビジョン2030を公表し、現在はビジョン2030に基づいて次期プランの策定作業を進めています。
そこで、質問でありますが、本年度が計画の最終年度となる中期経営プラン2020のこれまでの実施状況はどうだったのか、伺います。
◎中澤 経営管理部長 中期経営プラン2020の実施状況についてお答えいたします。
中期経営プラン2020では、
下水道施設の維持管理や再構築、災害対策など、施策ごとに事業の達成目標を設定しまして、毎年度、実施状況の評価を行いながら事業を推進しているところでございます。
プラン2020では、管路の調査延長や処理施設の改築施設、
雨水拡充管の整備延長など13の達成目標を掲げておりまして、これまでの5年間でおおむね目標を達成できる見通しでございます。
一方で、災害時の代替ルートとなります汚泥圧送管の整備率については、管を敷設する仮称北24条大橋の工期延長に伴いまして、汚泥圧送管の工事を先送りせざるを得なかったということで96%の達成率にとどまるなど、一部の事業については目標を下回る見通しでございますけれども、次期プランの計画期間の中で確実に実施できるように務めてまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 目標を下回ったものについて若干あるということですけれども、これは次の計画の中に組み込んでいくというお話でございました。
続いて、質問でございますが、次期プラン策定のスケジュールと重点的に取り組む事業とは具体的には何か、伺います。
◎中澤 経営管理部長 次期中期経営プランの策定スケジュールと重点的な取組項目というご質問でございます。
まず、中期経営プランの策定スケジュールについてでございますけれども、今年の9月に市営企業調査審議会の下水道部会を開催いたしまして、基本方針や目標、取組の方向性などについて議論したところでございます。
今後は、12月頃に下水道部会を開催しました後、計画の素案を取りまとめまして、年明け後に建設委員会でご報告をさせていただき、その後、パブリックコメントによる市民意見の募集を行った後、速やかに策定、公表する予定でございます。
次に、重点的に取り組んでいく事業についてでございますけれども、
下水道ビジョン2030に基づきまして、老朽化施設への対応や自然災害への対応などを考えているところでございます。
具体的には、老朽化施設への対応につきましては、計画的な維持管理や改築を引き続き進めますとともに、土木建築構造物を含めた処理施設の長期的な再構築計画を新たに策定する予定でございます。
また、自然災害の対応につきましては、計画的な施設整備を引き続き進めますとともに、北海道胆振東部地震で発生した液状化を踏まえた管路の耐震化なども実施していく予定でございます。
◆伴良隆 委員 今、施設の関係で、いっぱい施設がありますから、その再構築の話もございましたし、管路の関係もございました。待ったなしでもございます。そして、今、自然災害の対応ということもございます。
そこで、伺ってまいりますが、次期プランで災害対応にも重点的に取り組んでいくとのことでございますが、市全体の統一的な動きの下で連携と役割分担がなされ、実効性ある取組となっていくのでしょうか。
そこで、質問でありますが、札幌市としての統一的な防災計画や対策に対しましては、下水道事業の防災対策はどのように整合性を図り、実効性ある取組としていくのか、伺います。
◎中澤 経営管理部長 札幌市全体の防災計画との整合性、そして、実効性のある取組についてのご質問でございます。
次期プランの上位計画でございます
下水道ビジョン2030では、災害対策の方向性としまして、
下水道施設の耐震化や道路の浸水といった都市型水害への対策を盛り込みまして、札幌市地域防災計画や札幌市強靱化計画と整合性を図ったものでございます。
この
下水道ビジョン2030の災害対策の方向性に沿って次期プランに盛り込む具体的な取組を検討していくことで、地域防災計画との整合を図ってまいりたいというふうに考えております。
また、今後の次期プランの作成過程におきまして、
雨水拡充管の整備やくぼ地など雨水が集まりやすい場所での被害軽減対策のほか、
下水道施設の耐震化など、より実効性のある取組となりますよう検討してまいりたいというふうに考えております。
◆伴良隆 委員 国の地域防災計画と、そしてまた、札幌市の地域防災計画、これが主軸となって、当然、各部署で、つまり、こちらは下水、河川の部署でありますが、そこら辺のところをきちんとした計画、本筋の計画に伴ってやられていくということで、実効性ある取組だということでございました。下水だけがやっているということよりは、市政全体としての一つの取組であるということを確認させていただきました。
そこでまた、次の質問に移りますけれども、先ほど施設の関係のお話がございました。多くの施設維持に加え、老朽化対策や、そして、今回の災害対策などの事業量と事業費が増加するのに対しまして、人口減に伴い使用料収入は減少いたしますので、今後はさらに厳しい財政状況が予想されます。
そこで、質問でありますが、中期的な財政見通しはどのようになっているのか、伺います。
◎中澤 経営管理部長 中期的な財政見通しについてお答えいたします。
今、委員のほうから費用に関わる面と収入に関わる面、それぞれでご指摘をいただいた点を踏まえますと、今後の中期的な財政の見通しについては、これまでよりも厳しい状況になるというふうに考えてございます。
そのため、適切な施設の維持管理と計画的な施設の改築などを行いますとともに、コストの縮減など、経営の効率化にも取り組みまして、資金が不足することのないよう、健全な財政運営に努めなければならない状況にあるというふうに認識しております。
次期プランの策定を進めるに当たりましては、今後5年間の中期的な財政見通しをお示しして、まずは下水道部会のご意見をいただきながら、しっかりと議論してまいりたいというふうに考えてございます。
◆伴良隆 委員 審議会の意見ももちろん大事でありますけれども、一旦、原局の方々のご意見でありました中期財政見通し、厳しいということでございます。
そこで、順次、2点を伺ってまいります。
ビジョン2030では、エネルギーの有効利用を進めるとしていますが、安全を確保しつつ経営上の効率化に資するような有効利用は、技術革新を見据え、常に研究し、改善が図られなければなりません。
そこで、質問でありますが、エネルギーの有効利用について、経営上の観点でどのように捉えているのか、確認したいと思います。
◎中澤 経営管理部長 エネルギーの有効利用につきまして、経営上の観点からというご質問でございます。
エネルギーの有効利用につきまして経営の面から申し上げますと、これまでに省エネルギー設備への改築、あるいは、西部スラッジセンターにおきましては、汚泥を焼却した際の排熱を活用した発電を行いまして、施設で使用します電力の一部を賄うなど、コストの縮減を図ってきているところでございます。
次期プランにおきましても、引き続き低炭素・循環型社会の構築に貢献しますとともに、経営の効率化といったものを図るためにもエネルギーの有効利用について取り組んでいく予定でございます。
具体的にプランにどのような事業を盛り込んでいくかにつきましては、今後の策定作業の中で検討してまいりたいと考えてございます。
◆伴良隆 委員 当然、経営の効率化ということでありまして、コスト縮減ということでございます。ですから、基本的には安全性というものを、善徳部長、確保しながら、しかし、不断の技術革新が進んでいるところもございますので、この辺はよく研究をしていただきたい、このように思います。
それでは、もう一つ伺ってまいりますが、
まちづくり戦略ビジョン・アクションプランでも、各事業の受益者負担、つまり、使用料の適正化を掲げています。ビジョン2030の重点でも厳しくなる経営状況での財源確保の対応として、適正な受益者負担について具体的に検討する、このようにありまして、ビジョン2020と比較し、さらに踏み込んだ内容となっています。
そこで、質問でありますが、適正な受益者負担の具体的検討に向けて、どのように準備し、検討を進めるのか、伺います。
◎中澤 経営管理部長 受益者負担の具体的な検討についてのご質問でございます。
下水道使用料で賄われます汚水処理に要する経費は、今後、増加していくことが見込まれますので、持続可能な経営を維持するためにその財源をどう確保していくかといった点についての検討を行っていく必要がございます。
次期プランにおきましては、より一層厳しくなる経営環境への対応としまして、まずはコスト縮減や使用料以外の財源の確保に取り組んだ上で、毎年の事業費や累積資金の状況といったものを見極めながら、適正な受益者負担について検討していきたいというふうに考えております。
その具体的な手法や内容につきましては、今後5年間の中期的な財政見通しとともに、まずは下水道部会のご意見をいただきながら議論を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆伴良隆 委員 下水道部会も、下水道部会でよろしいですし、市民の代表の機関というのは、建設委員会をはじめとして、我々議会のほうでありますので、この中期経営プランについてもこのように具申をさせていただいているというのは、非常に重要な計画、中期経営プランだということでございますので、今、費用面の話をこちらのほうもさせていただきましたけれども、これは、しっかりと中期経営プランの中で、5年、そしてまた後期の5年、どのように具体的に受益者負担というものを適正に進めていくのか、これはアクションプランにも書いてありますけれどもね。それは、いざというときにぽろっと出すのではなくて、我々議員のほうにしっかりと提示していただきたいというふうに、事前にきちんと相談をしていただきたいというふうに思います。大事なことですから、これは。
汚水と雨水を処理し生活を守る下水道は、広く地域全体に影響が及ぶ極めて重要なインフラでございます。下水道の機能を将来にわたり健全に維持していくため、長期計画である現ビジョンや次期ビジョンに基づき、次期経営プランにおいても単に計画期間を分割した事業計画ということに陥らないように、長期的視点を常に意識し、着実に取り組めるような経営プランの策定となるように頑張っていただきたいと思います。
それでは、次の質問でございます。
次は、河川管理の実態と改善についてでございます。
平成29年第4回定例会、私はこのように代表質問をさせていただいています。北区屯田や一部、新琴似の河川では、せせらぎと散策の河川域とした本市の姿勢に見合った管理とは言い難い。私も、土木センターに対応を要請したり、周辺住民も清掃していますが、下流一部区間での一時的な対応では解決にならず、河川の適切な維持管理を強く求める声が多くの方々から寄せられている。こうした河川について、今後どのように取り組んでいくのか、このようにただしました。
吉岡副市長は、北区屯田や新琴似地区のせせらぎが回復した河川については、全市的な基準による草刈りなどのほか、地域の皆様にも清掃などのご協力をいただいて維持管理をしている。今後は、地域の皆様と適切な維持管理についての協議の場を設け、課題の解決に向けた方策の検討を行うなど、地域との連携の下、良好な河川環境の確保に努めてまいる、このように副市長は答弁をされています。
当該の各河川維持管理の計画事業については、私も一部評価をしております。これは、いわゆる安春川と、そしてまた、屯田川、東屯田川、西から言いますと、こういった区間の河川域でございますけれども、こういった中で一部評価している部分はございますが、しかし、10年言い続けても、今の管理実態では地元住民が到底納得しておりませんので、本日、ここで原因を明らかにし、市の姿勢と取組をしっかり正したいと思います。
早速、質問でございます。
札幌市内の河川は、大小、長短、様々でございますが、望ましい水環境を踏まえますと、河川とは市民にとってどうあるべきなのか、そのためにはどう維持管理すべきものなのか、見解を伺います。
◎伊藤
河川担当部長 ただいまご質問にございました河川の管理のあるべき姿ということについてお答えいたしたいと思います。
河川の役割といたしましては、ご承知のこととは思いますが、治水、利水、環境、この三つございまして、本市におきましては、主に治水、環境の役割で整備を進めているところでございます。
その整備後におきましては、個々の河川の役割に応じて、その機能を適切に保つことができるように維持管理をしていく必要があるものと考えてございます。その維持管理の実施に当たりましては、地域の要望や実情を把握している区土木部と連携いたしまして、様々な状況を勘案しながら、優先度合いなどを判断していっているところでございます。
◆伴良隆 委員 それぞれの河川にそぐう形で適切に対応、管理しているというふうな見解もありました。果たしてそうかどうかはこれから明らかにしますが、いずれにしましても、河川は、今、治水、利水、環境ということでおっしゃいましたけれども、我々の生活に直接的にどうしても必要かと言われたら必要です。それは排水しなければいけませんし、当然です。その中で、どうしても我々地域としてもなかなか目を向けてもらえていないような状況というのがあるのではないかなというふうに思います。
言葉だけではなかなか分かりにくいこともございますので、きちんと言葉で説明をしながら、現地のほうのお話をさせていただきますけれども、下水高度処理水の当河川、安春川、屯田川、東屯田川は、人工的親水広場の上流部、そして、コンクリート3面張りの中流部、自然との一体を意図とした土手形式の下流部におよそ分類がされます。今日は、この安春川を中心として、ほかの川もほとんど同じような状況にありますけれども、示してまいりたいと思います。
こちらが安春川の状況でございます。下流域です。このブルーのラインが引かれているこの間が、本来、河川なのですね。この全体が安春川です。このハの字になっているのがブルーのところの部分です。これは、一見すると川には見えませんね、水は流れていませんから、この感じはですね。しかし、この中に水が一応あるのですよ。こういう状況です。今、景色が非常にきれい、とてもきれいです、自然と一体となって。しかし、これを上から見ると、こんな状況です。ここは、一応、立入禁止のこの橋、これはなくなっているのです。一応、これは写真に写しましたけれども、こういう状況です。これがまず、安春川の全貌。
次に、下に下りますとどうなっているかということです。下に下りますと、こういう感じです。これもまた、河川がどこにあるかよく分からない。いいですか、水と親しんでくださいと言っていてですよ、どこに水があるのですか、これ。2メートル近い草木がございます。2メートル近いんですよ。そして、この親水のところに、水色のところにアクセスするスロープ、立入禁止はずっと春から変わりませんよ。ずっと貼ったまま。皆さん、親しんでください、入ってくださいと言って、立入禁止で入らないでくださいと書いていて、入ったら入ったで、これは、僕、仕方がないから写真を撮りましたけれども。
ここのところがいわゆる通路ですよ。脇が通路。通路も獣道、インターロッキングですよ、もうぼろぼろ、管理をしないから。先ほど、いろいろと延命化とか長寿命化というお話がありましたけれども、全然延命化ではない。こういう状況ですよ。いいですか。
そして、この安春川、いいですか、これ。これが水のせせらぎの安春川ですよ。何を言っているんですか、これ。これは、もちろん捨てた人が悪いですよ。油が浮いて、そして、ペットボトルや缶が浮いている状況と。これ、春先に、皆さん、臭いを嗅ぎに行ってください。すごい臭いがしますから。おかしいんじゃないですか、これ。こういう状況です。
これが、安春川の、これ、草木が高いから、きちんとしゅんせつもしないからというのもありますけれども、どんどん生えるんですよ。
これ、皆さんご承知のとおり、創成川の処理水から流れています。高度処理水ですから、きれいといったらきれいですよ。しかし、栄養価が高いわけですね。流れも緩やか、当然、沈殿していく、そこに生えてくるわけですよ。そして、流れがよどんで、せき止められて、こうやってごみが浮いているわけですよ。冬場は、遊歩道の足下まで浸かるらしいですよ。それは、立入禁止ですものね、つまりは。
こういう状況が、今の私の地元のほうの河川です。いいですか、伊藤部長。
私も、少しこれはおかしいなと思いますけれども、これは地元の方々の思いですよ、これは。いいんですか、こんなので。生活に関係ないとは言えませんよ、これ。郊外部に皆さん住んでいるんですから。皆さんだって散歩したいと言っているんですよ。とても大事な河川ですよね。こういう状況です。これはね、安春川は、春先はどぶ川ですよ。ひどい。私も、当初から土木センターにも皆さんにも伝えてきましたよ。代々、河川課長の方にね。
これですね、どうしてこういう状況になるのかということでございます。これは、札幌市が目指す川の姿ということで5か条を設けていますね。札幌市河川環境指針、この中にこう書いてあります。札幌市が目指す川の姿、札幌の豊かな自然を五感で感じることのできる川、子どもたちの遊ぶ声が聞こえる川、魚など生き物がいる川、市民が自分たちの財産として大切にできる川、美しいまちの風景をつくる川、魚などは一部いるのは知っていますけれども、これ五つとも、あるいは四つ、全然当てはまっていませんよ。これは皆さんが作った環境指針じゃないですか。そうですよね。
私は、このとき、ついこの前ですけれども、紅葉のきれいなときでしたけれども、人っ子いないですよ、一人も。いや、一人いたんですね。その方に聞いてみました。昔どうだったんですかと。その方は30年近く通っているそうです。子どもたちも連れてきて、それで、そこで水遊びをしたそうですよ。どこに深みがあるかも分かる、それぐらいきれいだったんですよ。新琴似川から屯田まで歩く人もいた。発寒の川までね。昔は非常にきれいだった、いい川でしたよ。だんだん、だんだんね、汚くなって、維持管理しないものだから、ちゃんと。
それで、これは土木センターへ言ったそうですよ、みんなで。そうしたら、お金がないと一蹴されたと言うんです。お金がないって、それは市民のお金ですよ。必要だったらお金をかけなきゃいけない。そのまま放ったらかしていて、さっきのインターロッキングじゃないですけれども、そのままぼろぼろになっていくのを何で見過ごすんですか。
その方は言っていました。半分、諦めに近いけれども、ただ、当時のせせらぎが取り戻せるのであれば、ぜひそうしていただきたいと。願っているということだそうであります。つまり、当時はしっかりした川だったわけであります。今はそうではない。
そして、河川環境を意識する郊外部の住環境、これは阻害されていますし、河川部の住民たちは、これは不公平だって憤慨していますよ。建設省の河川要領、多自然型川づくり、ご存じですね。当時の建設省ですよ。そして、そこに何と書いてあるか。水と緑のオープンスペースと書いてあります。いろんな細則が細かく書いてあります。札幌市は守れていますか。当時、これは補助金をもらっているはずですよ。返すべきですよ、国に、できていないのならと私は思います。
個別の河川域ながら、再三にわたる是正勧告にもかかわらず、なぜこのような管理実態のままなのか、一体全体原因は何なのか、河川行政全体から当該河川までを質疑で確認してまいります。
ちなみに、決算執行率には問題がないことは既に確認をしておりますし、また、河川部が建設局から下水局に移ったこと、このことが原因でもないことは、私、下水道河川局に既に確認をしております。
では、順次、質問をしてまいります。
札幌市水環境計画、これは平成15年策定のものであります。並びに、それと整合性を持った札幌市河川環境指針、これは平成21年策定であります。これらに基づき、各区の維持管理業務、河川の維持作業の業務仕様書、これは私も全部見ています。ただ、各区の維持管理業務が確実に行われている、このように言い切れるのか、ご認識を伺います。
◎伊藤
河川担当部長 各区の維持管理業務が適切に行われているかという質問でございました。
区の維持管理業務につきましては、現在、夏冬一体の道路維持作業業務、通常、マルチゾーンと言われている業務の中で河川についても対応しているところでございます。
私どもにおきましても、ただいま委員のほうからご指摘ございました、今、安春川につきましては、治水面と環境面と両方の側面を持って整備をした河川でございます。ただ、ご指摘をいただきましたとおり、特に環境面において機能を十分に維持できていないということを十分認識いたしているところでございまして、そういう事例になっているということで、十分維持管理が行われてきていないということは認識しているところでございます。
それにつきましては、まず、一義的には数多く管理している河川の治水機能の確保やそれらを維持していくための修繕というものをやりつつ、日常的に草刈りなどの業務を行いながら対応していっている状況でございます。その中で、整備当初のコンセプト、今、委員のほうからもご説明いただきました人が水辺に親しめる、そういうオープンスペースとしての河川というもののコンセプトがありながら、その後の維持管理におきまして、そのコンセプトをきちんと生かし切れていないというようなことがこのような状況に陥っている原因ということで考えているところでございます。
必ずしも、本来、機能を確保していかなければならないような状況のものが、そうなってはいないという状況にあるということでございます。
◆伴良隆 委員
下水道ビジョン2020の表紙もそうです。ほかでも、この安春川、あるいは屯田川、東屯田川、取り上げていただいています。でも、実際、今、伊藤部長がお話、伊藤部長が悪いとは言い切れませんけれども、それぞれの代が、先代がやられてきたことですからね。今、たまたま伊藤部長。
いろんな計画書に書いてあります。この安春川、屯田川、東屯田川、すばらしいと。これは、せせらぎの復活、安らぎと触れ合いの水辺空間、これはもはや虚偽に近いですよ、状況的には。今、伊藤部長がお認めになったので、そこのところはこれ以上申しませんけれども。
それでは、この原因ということです。一部、原因は言っていただきましたけれども、河川管理業務に携わる官民の人手不足や技術的レベルなど、何か問題でもあるのか、伺います。
◎伊藤
河川担当部長 官民の技術レベル、人手不足、その状況についてのお問合せでございました。
まず、人手不足につきましては、河川として個々に維持管理業務を発注しているわけではなくて、先ほどお答えしましたように、区のほうの夏冬一体型の維持管理で行っておりますので、特段、個々の管理に対して、その都度、人を用意しなければならないという状況ではございませんので、区のほうからも、その維持管理において人が足りないというようなことは私ども聞いているような状況ではございません。
また、その技術のレベルというお話でございますけれども、通常の維持管理におきましては、何か構造物を造るというのと状況が違いまして、特殊な技能を求めるものではございませんので、例えばしゅんせつ、草刈りなどに対して、特殊な技術などを要するものとは考えてはございません。
◆伴良隆 委員 人手不足や技術的な関係の問題はないというご認識であります。
それでは、次に伺いますが、河川維持管理の重要度や力の入れ方で、上流域と下流域で何か濃淡や差異を設けているのか、伺います。
◎伊藤
河川担当部長 管理をする上で、特段、上流だから、中流だから、下流だからということで流域を、場所を分けて特段意識しているわけではございませんけれども、例えば、治水面で言えば、何か洪水を流すために必要になっている場所があるのか、もしくは壊れている施設があるのか、そういう施設の状況によってどこに手をかけていくかというような判断をしてございます。
◆伴良隆 委員 流域、区域で分けているわけではなくて、必要性に応じてということであります。しかし、それが私の地元のほうには来ないという状況であります。
伺ってまいりますが、今回、事例として安春川、屯田川、東屯田川の上流から下流までの維持管理更新計画について、市民にきちんと説明を果たしてきたのか。安春川を愛する会などとの昨今の活動状況、実績はどうなっているのか。いずれも、当該河川について市民と適時適切な協働をしてきたのか、伺います。
◎伊藤
河川担当部長 市民との協働についてお答えいたします。
今、お話にございました安春川を愛する会という会がございますのは私どもも承知してございます。その会につきましては、平成15年に安春川の周辺の町内会などで組織された団体だということでございます。
ただ、現在におきましては、この安春川を愛する会と何か市が一緒になってやっているというような取組はございません。ただ、別な団体ではございますけれども、安春川のカモの愛好会という会もございまして、ご承知のこととは思いますけれども、安春川の特に上流域にはカモが非常にたくさん来ておりまして、特に冬場になりますと、本当に川の中を利水、カモに利水と言うのはおかしいのですけれども、本当に水辺一面にカモがいるような状況になってございます。
カモは、春になると子ガモたちが姿を見せてくれるのですけれども、子ガモたちはほかの生き物などに狙われるということで、川の中の草刈りをするときに、そういうカモの逃げ場も確保しながらやるべきではないのだろうかというようなお話をカモの会からいただきまして、草刈りの場所も、一様に刈るのではなくて、逃げ場を考慮しながら刈るだとか、あと、お話を伺いながら逃げ場を確保したりだとか、そのような取組をやった事例はございます。